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2019年 04月 24日

安定のレッドラ・システム『第6艦隊』

e0355790_08044366.jpg「レッドラ」とは『レッド・ドラゴン・ライジング(RDR)』(2008年)のこと。「米中もし戦わば」をテーマとしたRDRでは、要素が多く、ルールが煩雑になりがちな陸海空の立体作戦を、原則として「1手番に1作戦を行い、それを両プレイヤーが交互に繰り返していく」というシンプリフィケーションが行われています。できることが「作戦」として行動が規定されているのがポイント。交互に作戦が行われるので、リアクション・ルールも必要ありません。それに1手番で1作戦しか行えないため、展開がもっさりしているな、と感じているようでは実はこのシステムの術中にはまっており、それは結局のところ長期的な視点を欠いているということでもあるのです。ランダム性の強い運ゲーに見えて、勝利するためのシナリオを事前に考えておく必要がある、奥が深いゲーム・システムです(そして運に任せて何となくプレイしても面白いのが美点です)。

RDRのデザイナーはブルース・コステロ氏ですが、ジョセフ・ミランダ氏がレッドラ・システムを使って次々に派生作品を発表しています。第二次世界大戦ものでは『ノルウェイ1940』と『サウス・シーズ・キャンペーン』など。そして起こらなかった第三次世界大戦ものとして『第6艦隊』がリリースされました。

設定としては70年代または80年代にワルシャワ・パクト(WP)がNATOに攻め込むというもので、ゲームの舞台は地中海東部と黒海。マルタ、クレタ、キプロスをめぐって第6艦隊と黒海艦隊が激突します。

レッドラからの変更点

e0355790_08215656.jpgゲーム・システムのベースはRDRですが、多少の変更が加えられています。

例えば空母。RDRでは艦載機の能力は空母のレーティングに含まれていましたが、『第6艦隊』では対潜ヘリコプターを除いて別ユニットになっています。これにより艦載機運用の妙を楽しめるだけではなく、70年代と80年代の艦載機の違い、戦闘機/攻撃機の役割分隊から多用途機運用というドクトリンの変化などを感じられるようになりました。

RDRの地上戦は島嶼に限られていましたが、本作ではソビエト機械化軍団がトルコに攻め込めるようになっており、イスタンブル、そしてダーダネルス海峡支配も夢ではありません。

シナリオは70年代と80年代の2つが用意されており、全体的な設定はどちらも同じですが、使用できるユニットに違いが生じます。また、what-if?を楽しめるオプション・ユニットが用意されており、ソビエト軍にはクレムリン級原子力空母が、アメリカ軍には原子力打撃巡洋艦が用意されています。サービスしすぎだろうと思いますが、トルコ海軍には巡洋戦艦〈ヤウズ〉もあり、恐らくダーダネルス海峡の浮き砲台として活躍して(的になって)くれることでしょう。

仮想戦ですし、設定年代もRDRに近いということで、第三次世界大戦の海戦ゲームがこれから順次レッドラ・システムでリリースされるかもしれませんね。


# by petitslg | 2019-04-24 08:45 | ニュース
2019年 04月 17日

クバン橋頭堡上空の戦い『レッド・イーグルス』

e0355790_13275100.jpg忘れた頃にやってくる、デシジョン・ゲームズのミニ・フォリオ・シリーズの一つです。『レッド・イーグルス』は「エアウォー・シリーズ」の最新作となりまして、シリーズ作品としては


があります。

作戦級空戦ゲーム

基本ルールはシンプルで、I-Go-You-Goの作戦級陸戦ゲームによく似ています。プレイヤーは自分のターンにユニットを移動させ、目標を爆撃したり敵機と空中戦をしたりします。基本的にイントルーダー: 攻撃側とインターセプター: 迎撃側の役割が分かれていますが、両軍に爆撃目標が与えられ、インターセプター側であっても積極的な作戦を行えるようになっています。

爆撃目標は固定ですが、ゲームによってはイベントにより爆撃目標が発生します──これは航空戦キャンペーンの最中に作戦域で発生した戦闘を表しており、『カクタス』なら海戦、そしてこの『レッド・イーグルス』なら地上戦支援を行うことになります。

e0355790_13371939.jpgゲームはターンを繰り返すことで進行し、1回のターンは複数回の「アワー」で構成されます。両軍はそのアワー中に自軍航空機ユニットの移動と戦闘を行います。離陸してすぐ着陸しなければならない足の短い機体を除けば、最終アワーが終わるまでに着陸しなければなりません。移動力と目標までの距離を勘案して、いかに航空部隊を運用するかが重要です。

C2とイベント・カード

基本はストレートフォワードですが、面白くしているのはコマンド・コントロール(C2)とイベント・カード。このシリーズではC2の優位性を(1)スタック制限の上限と(2)毎ターン引けるイベント・カードの枚数で表しています。実にシンプル。それでいて効果的に両軍の作戦〜戦術の違いを表現しています。例えば『レッド・イーグルス』のドイツ軍はC2レベル3、ソ連軍は2。戦力の集中という点でも戦術的優位性でもドイツ軍が有利です(イベント・カードは自軍に不利なことは起こりません)。

このC2レベル、一部イベント・カードを「ワイルド・カード」にして消費することで向上させることができます。そこでソ連軍としては、数を頼りに戦いつつ、手にしたイベント・カードをどんどん使って敵に消耗を強いる戦略も、無理はせず、イベント・カードはC2レベルを上げるために使って長期戦を乗り切る戦略も成り立ちます。

クバン橋頭堡の戦いはドイツ軍の勝利に終わり、ソ連空軍も大きな損害を出しました。が、この時の戦訓がクルスク戦以降の「空の戦い」に大いに生かされたのです。実際、「クバン・エレベーター」と呼ばれる戦術が編み出されています(戦闘機隊が高度差を取って飛行し、互いに支援できるようにする戦術)。であるなら、歴史に学んでイベント・カードはC2レベルを上げるために使ったほうが良さそうですが、あえて歴史に挑戦するもよし、なのです。

ちなみにユニットに「LL」とあるのはレンドリースされた機体を表し、この時期、イランから運ばれたスピットファイアがクバン半島上空でドイツ軍機と交戦しています。


# by petitslg | 2019-04-17 13:58 | ニュース
2019年 04月 16日

自分だけのサガを残そう『ヴァイキング』

e0355790_11582397.jpg2019年に『ヴィンランド・サガ』のテレビアニメが放映されるということもあって、デシジョン・ゲームズの『ヴァイキング』も注目されているようです。

本作は系譜とすれば「コマンドー」シリーズの作品に該当するソリティア・ゲームで、プレイヤーは1回のミッションを行う、または連続してミッションに挑戦する「キャンペーン」をプレイする、のいずれかを楽しむことができます。後者のほうが楽しそうなのは言うまでもありません。

ヴァイキングで挑むのはミッションではなくサガ。達成すべき目的と、そのための手段が定義されているのは「ミッション」も「サガ」も同じなのですが、気持ちの入り方が違うというもの。本作もシリーズ他の作品同様、4種類のサガが用意されています。

サガの内容は実際のサガに即したものとなっており、

エイリークのサガ: 新たな土地を探して定住することが目的。
フロアマナのサガ: 新たな土地を探して略奪することが目的。
ヘイムスクリングラ: ノルウェイ王のサガ集の総称。新たな土地を探して王国を建設することが目的。
ヴォルスンガ・サガ: ヴォルスング一族の興亡を描いた一代記で、ニーベルンゲン伝説のエピソード集大成。最も厳しい勝利条件が課せられます。

1回のゲームがこのサガへの挑戦になります。

各サガ・カードには上述した目的の他、航海カードの枚数(ターン数になる)、使える金(ヴァイキング部隊を編成するのに必要)、クエストの数(サガの目標とは別に達成するとボーナスがもらえるイベント)、サガを達成した後でもらえるボーナスが記載されています。

e0355790_13420717.jpg金を払って自分の部隊を編成します。「ヤール」と呼ばれるリーダーの他に、ヴァイキングの戦士やロングシップを購入。金を使い切る必要はなく、後で増援を動員することも可能です。

1ターンの手順は次のようになります。

1)交易: 交易センターに定住地を置いていれば金が手に入ります。
2)ライダング(動員): ライダングとは兵役に就くことで納税すること。ユニットの動員を行います。
3)移動: 部隊を移動させます。
4)航海カード: ここで航海カードを引いてランダム・イベントを判定します。
5)戦闘: 敵対する勢力が発生するかどうかを判定し、いれば戦闘を解決します。
6)クエスト: クエスト・マーカーと同じスペースにいれば再度、戦闘を行って勝利すればクエストに応じたボーナスをもらいます。
7)定住/略奪: 部隊が町にいれば定住か略奪を行います。前者ならコストがかかりますが、長い目で見れば交易によって回収できます。後者は手っ取り早く金をつくれますが、そのサガ中は略奪した町は存在しないことになります。

戦闘はシリーズ共通ルールで、戦術的優位を決め(リーダー、エリート部隊がいるほうが有利)、戦術的優位を持つほうから交互に「射撃」していき、どちらかが全滅するか撤退(これはプレイヤーのみ可)するまでこの手順を繰り返します。ユニットに印刷された戦闘力以下が出れば敵ユニット1個を除去します。戦闘に勝利すれば航海カードを追加でもらえたり、「エッダ」と呼ばれる名声が上がったりします。負ければ逆に、航海カードを失ったりエッダが下がったり。エッダはキャンペーンで最後に挑戦するヴォルスンガ・サガの達成条件の一つなので、迂闊に落とすことはできません。

e0355790_13593470.jpgというように、ゲームの構造は非常にシンプルです。サガを実現するための部隊やルートは自由に決められるので、マップと相談しながら効率的に、あるいは本能に従ってヨーロッパ大陸を縦横無尽に旅すると良いでしょう。

ヴァイキングというと「海賊」のイメージが強いですが、8-11世紀のはじめにかけて、マップのような範囲で略奪や侵略、あるいは植民や交易を行っています。西洋史に及ぼした影響に思いを馳せながらプレイすると、本作も一層味わい深いものになるでしょう。


# by petitslg | 2019-04-16 14:27 | ニュース
2019年 04月 11日

『ブリッツクリーク・イン・ジ・ウエスト』(西方電撃戦)は『フランス1940』の発展型か

e0355790_08361707.jpgいよいよキャンヴァス・テンプル・パブリッシング(CTP)社製品の取り扱いが当店でも始まりまして、最初に到着したのが『ブリッツクリーク・イン・ジ・ウエスト(BitW)』でした。この後、『ザ・リヴェレーション・ウォー』と『WW2デラックス』が続きます。前者は『このシミュゲがすごい!2019年版』でも紹介された一見するとトンデモ系ですが、ゲームとしては見るべき点の多い作品です。ボンバリアンは震えて眠れ。

さてBitW、日本語ルールも完成しましたので、この謎多きゲームについて詳しく紹介したいと思います。後半で衝撃の発表も(!?)。なおその日本語ルール、カードの効果適用で一部不明点があったのですがConsimWorldのForumにて回答をいただいたので、その点を反映しております(本日アップデートしました)。

アルデンヌの軛

1940年の西部戦線作戦級ゲームは、(1)マンシュタイン・プランがうまくいったことは変えられない歴史的事実として、固定された戦略的状況下における作戦的思考を楽しむもの、と(2)戦略的状況からつくり出していくもの、とに大きく分けられるでしょう。最近の作品だと(1)の代表は『フランス '40』(GMT、2013年)、(2)なら『ノー・リトリート3』(VPG、2012年)になるでしょうか。少し古くなると(1)は『ドイツ戦車軍団』の「ダンケルク」、(2)は『1940』(GDW、1980年)や『Blitzkrieg 1940』(XTR、1997年)があげられます。

BitWのデザイナーズ・ノートにも書かれていますが、フランス戦が始まるまで誰一人として数週間でフランスが崩壊するとは予見できなかったわけで、その意味で1940年西方戦役のシミュレイションということなら(2)のアプローチは健全だと言えます。しかし、プレイヤーが歴史を知っている以上、ドイツ軍にとってのベスト、連合軍のとってのワーストが(1)の状況であることはわかっているので、まず歴史的な展開は期待できません。アルデンヌの森林ががっちり守られていてそこでマンシュタイン・プランが頓挫したりすると、連合軍プレイヤーはしてやったりでしょうが、ドイツ軍プレイヤーには受け入れられない結末になります。であるなら、戦略的状況は固定として、その状況における作戦術を競う(1)が健全であるとも言えるわけです。

作戦カードで状況を創出する

BitWは果敢にも(2)に挑戦しています。戦略的状況を設定するために、「作戦カード」と「ショック・ポイント」のルールが用意されています。

作戦カードは作戦計画だけではなく、開戦前の装備や訓練、編制から手を加えるもの。ドイツ軍ならマンシュタイン・プランやシュリーフェン・プラン、連合軍ならディール・プランやアルデンヌの防衛といった史実で採用されたものやそうでなかったものがあり、部隊運用に差が生じるようになっています(詳細は後述)。

また、連合軍がマジノ線を放棄して(!!)機甲戦力の拡充を図ったり、戦車を分散して歩兵の支援に用いる/集中運用する、空軍の効率的運用を行う、地上部隊との連携を強化するといった作戦/戦術的要素のカードもあります。

両プレイヤーはこれら作戦カードをゲーム開始前に選んでおき、作戦計画を立案するようになっています。カードにかかるコストは両軍で異なり、浸透戦術に勝っていたドイツ軍のほうが機甲戦ドクトリンの発展をロー・コストで実現できたり、空軍の運用もやりやすくなっています。また、アルデンヌへの部隊配置など史実で想定されなかったプランはコスト高となっています。

こうしたWhat If?で思い出されるのは『フランス1940』(SPI/アヴァロン・ヒル)です。ドイツ軍に6パターン、連合軍に11パターンの状況設定が用意されており、その66通りの組み合わせを試すことができるというもの。BitWはその発想をもう一段階発展させています。

e0355790_09150080.jpgショック・ポイントという概念

ネットウォー・ポイントやリソース・ポイントなどゲームによって用語は様々ですが、本作のデザイナーであるジョセフ・ミランダ氏は国家が持つ戦争努力資源の総量を重視しています。BitPではショック・ポイント(SP)という概念が導入されており、これは国家のモラルであり、同時に軍のモメンタムを表しています。

SPは国ごとに設定されており、国ごとに異なる閾値に達すると崩壊判定が始まります。崩壊するとその国のユニットは全て消滅するため、フランスが崩壊すると連合国は実質敗北ですし(もちろん、それまでにドイツのSPが十分に低下していれば勝てるチャンスがあります)、ベルギーが早々に敗北しても連合国としては困るわけです。

SPはユニット壊滅の他、都市に対する恐怖爆撃や作戦カードの計画が成功するかどうかで変動します。これが大きい。例えばドイツ軍が「マンシュタイン・プラン」を採用していた場合、第3-5ターンの終了時、ドイツ軍がダンケルク、カレー、ブローニュまたはディエップのいずれかを支配していればドイツのSPは15減少し、連合国のSPは15増えます。3ターン全て条件を満たせば45ポイントで、これは一国では賄いきれない危機レベルとなります。

もし、同時に連合国が「ディール・プラン」を採用していれば、第3-4ターン終了時、連合軍がブリュッセルまたはアントワープを占領していると連合国のSPは10減少しますが、この条件が満たせなければ逆に10増加します。両軍のカードを合わせると最大でSPが65も増加することとなり、史実の「ショック」がいかに大きいものかがわかります。

即ち、いかに敵に最大限のショックを与えるのかを計画して作戦カードを選び(戦略を立て)、その効果を引き出すために部隊を動かすのか(作戦を計画するのか)が大事なのです。

タダの機械化移動は甘え

ということを踏まえてターン・シーケンスを見てみると、移動と戦闘を行う「I-Go-U-Go」。しかも基本は1インパルスしかありません。

もし、機甲戦ドクトリンを手に入れていれば、機械化部隊は第2インパルスが可能で、2回目の移動と戦闘を行えます。さらに作戦カードの特定の攻勢プランを選んでいれば、地理的条件がつきますが全てのユニットが第3インパルスを行えます。例えば連合国がディール・プランを採用していれば、ベルギー北部にいる連合軍ユニットは第3インパルスを行える、というわけです。

これは同時に、マルチ・インパルスが可能になるのと自国のSPを減じて敵国のSPを増やせるというインセンティブが働いて、「史実を知っている連合軍プレイヤーがベルギー北部に部隊なんて突っ込むわけないよね」問題をいくぶん改善しています。あるいは、連合軍が機甲戦ドクトリンを身につけてベルギー北部からの逆侵攻を望むのであれば、「逆アルデンヌ」現象が起こらないとも限らないのです──もっとも、ドイツ空軍がそう易々と許してくれるとは限りませんが。

なお、カードによるインパルス数の増加は期間が限定的なので(兵站蓄積の問題があるのでしょう)、使いどころが肝心となります。

このように、マルチ・インパルスを行えることでの作戦的柔軟性と作戦カードによるSPの増減を考慮して、敵により多くSPを与えられる戦略を立案する必要があるわけです。

初対戦は混乱必至

作戦カードの効果が掴めない初対戦は大混乱となり、しかし絶対に面白いタイプのゲームです。お互いが慣れてからは作戦カードの読み合いとなり、また別のタイプの面白さが感じられるでしょう。

ということで、4月21日の和泉歴史ゲーム研究会にてBitWを対戦いたします。詳細は本ブログで、また『BANZAIまがじんEX』第2号にてお伝えしたいと思います。ここで触れていないユニークなカードを使って連合軍を出し抜きたいと思っていますが、さて。


# by petitslg | 2019-04-11 09:52 | ニュース
2019年 04月 03日

レヴォリューション・ゲームズのデベロップ力

e0355790_15031047.jpg個人的にはいろんなご縁のあるレヴォリューション・ゲームズですが、それはさておき、先方からのオファーで『コマンドマガジン』誌で付録になった『レッド・タイフーン』の英語版が2017年にリリースされました。中国の新興ボードゲーム・メーカーで、以前は低年齢層をターゲットにした商品を主体にしていましたが、最近はアダルトにも守備範囲を広げているバナナ・ゲームズからも中国語版が出版される予定です。

『レッド・タイフーン(RT)』はドイツ装甲軍団シリーズの一作で、基本システムはドイツ戦車軍団と同じ。ZOCあり、互いのプレイヤー・ターンで移動フェイズと戦闘フェイズを行い、戦闘で退却させられたユニットは混乱して次の自軍プレイヤー・ターンで使えない──ために予備が重要になるし、攻撃することで主導権を持続する、あるいは奪う、という、シンプルながらも非常に教育的なゲームです。

RTでは独自ルールとして、活性化ポイント(以下、用語はレヴォリューション・ゲームズ版に準じます)があります。両軍は毎ターン決められた活性化ポイントを受け取り、1ポイント使うことで1フォーメイションが移動または戦闘フェイズを行えます。もちろん両軍とも全ての戦線を活性化させることはできないので、長期的視野に基づいた活性化ポイントの運用が重要になります。さもないと、たった1ユニットを動かすために1活性化ポイントを使って戦線の穴を塞ぐ、なんて事態が起こります。

この活性化ポイントの使い方に慣れるまではソ連軍が圧倒的優位、慣れてからはドイツ軍が勝つようになる、というのがオリジナルのイメージ。史実同様、ドイツ軍が装甲師団を機動予備として火消し役に使えるようになると、ソ連軍はなかなか勝てない。けれどそれが絶妙な感じだと思われました。

レヴォリューション・ゲームズのロジャー・ミラー氏は我々よりソ連軍に勝ち目がないと判断したようで、英語版では以下のような変更が施されています。

e0355790_15201023.jpg
ソ連軍の奇襲攻撃
第1ターンに行われるソ連軍の攻撃には全てダイスの目+2の修整がつくようになりました。ちょっと修整が大きいように思いますが、緒戦でつまづくとどうにもならないことがあるので、初期の突破が保証されるのは納得がいきます。

活性化ポイントの変更
両軍が受け取る活性化ポイントの量が変化しています。これもソ連軍に有利なように調整されています。

固定配置オプションの追加
オリジナルはフリー・セットアップですが、英語版では史実に即した固定配置オプションが用意されています。初めてプレイする時にはありがたいオプションです。

いずれも納得のいく改定です。『ナルヴァの戦い』でもオリジナルの良さを残しつつ、ルールの簡素化に成功したロジャー・ミラー氏の手が入った『レッド・タイフーン』。日本版を入手し損ねた方は是非挑戦してみてください。


# by petitslg | 2019-04-03 15:42 | ニュース